芙蓉酒造のお酒とテイスティングコメントをご紹介します
金宝芙蓉 純米吟醸 Tsukuyomi
口中で華やかで、上品な甘味が印象的な酒。十分に切れもあり食事に合わせやすい。
外観は、透明感のある淡いクリスタル、わずかにイエローの色調がある。
香りの第一印象は、控えめで華やか。熟したメロンと白桃の香り。果実の香りは甘くピュアで濁りがない。またアカシアの花とそのはちみつのような甘く華やかな香り、上新粉、白玉団子のような上品な米香が調和している。
味わいは、上品な甘味を伴いやや軽めの第一印象。口中では香り以上に華やかに感じられる。中盤からは優しい酸味と旨味が感じられる。全体にまろやかで華やかなバランス。余韻はすっと切れて心地よい。
12〜15℃で大振りのチューリップ型グラスがおすすめ。あまり温度を上げない方が良いと思うが、グラスは大きめにして香りを楽しみたい。
相性の良い料理は、ヒラメの薄造り、もみじおろしとポン酢を添える。酒は12〜15℃で合わせる。この酒の上品な甘味が、ヒラメの上質な旨味と同調する。また酒のきれいな果実香が、ポン酢の柑橘と合わさり、料理を爽やかに仕上げる。
またはアマダイの蕪蒸し、三つ葉とワサビを添える。酒は12〜15℃で合わせる。この酒の優しい香味が、卵白で包まれたアマダイの優しい旨味と同調する。また酒のきれいな果実香が三つ葉と合わさり、料理にアクセントを与える。
金宝芙蓉 純米 Mikumari
ゆっくりと口中でふくらみ、香味のバランスが取れた純米酒。またアルコール感が低く飲みやすい。
外観は、透明感のある淡いクリスタル、わずかにイエローの色調がある。
香りの第一印象は、ふくよかで華やか。熟した洋梨のような果実香、アカシアの花、またそのはちみつのような甘い香り、石灰のようなミネラル香が調和している。さらにつきたての餅、白玉団子のような甘い米香、フレッシュミルクのような乳製品の香りが優しい感じを与えている。
味わいは、穏やかな甘味を伴いややボリュームを感じさせる第一印象。中盤から穏やかな旨味が広がり、きめ細かい酸味が主張してくる。ゆっくりと口中で華やかにふくらむ。全体にまろやかで厚みのあるバランス。余韻は長く続く。
15〜18℃で大振りの磁器の猪口がおすすめ。この温度帯ではバランスの取れた香味を楽しめる。または40〜45℃のお燗で、大振りの磁器の猪口を用いる。温めると酒のふくらみを楽しめる。
相性の良い料理は、マダイの塩焼き、大根おろしを添える。酒は40〜45℃で合わせる。温められて芳醇になった酒の香味が、香ばしく焼かれたマダイの風味と調和して味わいを深くする。酒の穏やかな旨味がマダイの上品な旨味と同調する。
または口水鶏(よだれ鶏)、香菜を添える。酒は15〜18℃で合わせる。この酒の穏やかな香味が、茹でた鶏肉の穏やかな旨味と同調して味わいを深くする。酒の熟した果実の香りが花山椒と調和して、料理を印象的に仕上げる。
金宝芙蓉 よよいの酔 純米原酒
酸味、旨味、アルコールのバランスが印象的な純米原酒。
外観は、透明感のある淡いクリスタル、わずかにイエローの色調がある。
香りの第一印象は、若々しく華やか。メロン、白桃を思わせる甘やかな果実香。バナナ、パイナップルを思わせる刺激的な香りもある。さらにつきたての餅のような甘い米香、生クリームのような乳製品の香りが調和している。
味わいは、柔らかくクリーミーな甘味を伴い、アルコールのボリュームを感じさせる第一印象。中盤からしっかりと酸味と旨味が主張してくる。全体に力強いバランスで余韻は長く続く。
12〜15℃で小振りのチューリップ型グラスがおすすめ。果実香のバランスを崩さないように、あまり温度を上げない方が良いと思う。
相性の良い料理は、マグロの大トロ、醤油とワサビを添える。酒は12〜15℃で合わせる。この酒のクリーミーで凝縮した香味が、トロのねっとりとした味わいを引き立てる。また酒のアルコールのボリュームが、トロの脂肪を包み込み調和する。
または鴨肉のコンフィ、フライドポテトを添える。酒は12〜15℃で合わせる。この酒の柔らかくクリーミーな香味が、鴨肉の柔らかい旨味と相乗し味わいを深くする。酒の華やかな果実香が、パリッと焼かれた鴨の皮と調和して、料理を香ばしく爽やかに仕上げる。
金宝芙蓉 本醸造 超辛口烈火
軽快な香味で、程よく酸味、旨味、コクがある、後口はドライに切れる本醸造酒。
外観は、透明感のある淡いクリスタル、わずかにイエローの色調がある。
香りの第一印象は、若々しく爽やか。香りのボリュームは低く、熟した洋梨とリンゴが穏やかに香る。また笹の葉、青竹のような清涼感のある木香、道明寺粉、炊いた米のような香ばしい米香が調和している。
味わいは、ドライで程よくアルコールのボリュームを感じさせる第一印象。甘味は控えめで、中盤から穏やかに酸味、旨味がふくらみ、コクを感じさせる。余韻は短く、この酒のキレの良さを表している。
15〜18℃で小振りの磁器の猪口がおすすめ。この温度帯ではキレの良さを楽しめる。または40〜45℃のお燗で、小振りの陶器の猪口を用いる。温めると酒のふくらみを楽しめる。
相性の良い料理は、エビの天ぷら、塩とレモンを添える。酒は15〜18℃で合わせる。この酒の軽快な香味が、エビの上品な甘味、旨味と調和する。わずかに冷やしてキレを増した酒が、天ぷらのカリッとした食感を引き立てる。
またはボンゴレ・ビアンコ(アサリのパスタ)。酒は40〜45℃で合わせる。アサリを蒸すときに同じ酒を少し入れるとさらに相性が増す。温められて芳醇になった酒の香味が、アサリの旨味と調和し味わいを深くする。また酒の清涼感のある木香が散らしたパセリと同調し、料理を爽やかに仕上げる。
信州そば焼酎 天山戸隠 25度
ほの甘く優しいそばの風味と、穀物の甘香ばしい香味がバランスよくまとまっている焼酎。
外観は、透明感のある無色に近いクリスタル。
香りの第一印象は、ふくよかで芳醇。更科そばのほの甘く清涼感のある香りと、煎った米、麦、豆などの香ばしい穀物の香りが調和している。さらにヒノキ、樹脂のような木香、栗、クルミ、アーモンドなどのナッツ香、丁子、白コショーなどのスパイス香が奥行きを与えている。
味わいは、丸みのあるアルコールを感じさせる、やや軽めの第一印象。そば湯のようなほの甘い香味が口中に広がり、旨味と苦味が酒に上品なコクを与えている。全体になめらかなテクスチャーを持ち、芳醇なバランスにまとまっている。
15〜18℃で小振りのチューリップ型グラスを用いて供出するのがおすすめ。この温度帯では、繊細なそばの香りを楽しめる。または、前割りしたものを35〜40℃にお燗して、小振りのタンブラーグラスを用いる。この温度帯では、芳醇なそばの香りを楽しめる。
相性の良い料理は、そば粉のガレット(フランス風のクレープ)、生ハムと玉子をトッピングして塩バターで仕上げる。酒は前割りし、15〜18℃で合わせる。この酒の甘香ばしい穀物の香りが、香ばしく鉄板で焼かれたガレットと同調し、生ハムと玉子を引き立てる。甘いそばの香りと、バターのまろやかな風味もよく同調する。
または新タマネギと新ジャガのポトフ。酒は前割りし35〜40℃のお燗で合わせる。温められて芳醇になった酒のそばの香りが、新野菜の優しい甘味を引き出して同調する。お互いの温度もよく同調する。
本格芋焼酎 喜代作 25度
まろやかな芋の香味を主体に、程よく酸味と苦味が加わった芋焼酎。飲みやすいが複雑性も持っていて飲み飽きない。
外観は、透明感のある無色に近いクリスタル。
香りの第一印象は、ふくよかで芳醇。マスカット、ライチ、ミカンのような爽やかな果実香、焼き芋、道明寺粉、茹でた小豆のような香ばしい穀物の香りが調和している。わずかに感じられる甘いバラの花の香り、もろみ酢のような刺激的な香りがアクセントを与えている。
味わいは、まろやかなアルコール感を伴うやや強めの第一印象。口中では酸味と苦味が感じられ、複雑な香味がアルコールとともに広がる。芳醇で厚みのあるバランスにまとまっていて、余韻は長い。
仕上がりが40〜45℃、アルコール15度に調製したお湯割りで、大振りの陶器の猪口を用いるのがおすすめ。この温度帯では、酸味と苦味を楽しめる。またはオンザロックで、背の低いタンブラーを用いる。この温度帯では、とろりとしたアルコールの甘味を楽しめる。
相性の良い料理は、豚肉のしゃぶしゃぶ、ゴマだれを添える。酒は40〜45℃のお湯割りで合わせる。この酒の甘い芋の香りが、穀物を食べて育った豚肉とよく同調する。酒の香ばしい穀物の香りが、すりゴマと調和して豚肉を引き立てる。お互いの温度もよく同調する。
またはアルザス風シュークルート・ガルニ、月桂樹の葉を添える。酒はオンザロックで合わせる。この酒の甘い芋の香り、香ばしい穀物の香りが、穀物を食べて育った豚肉のソーセージ、ベーコンとよく同調する。酒の酸味と苦味が、キャベツの発酵酢漬けともよく同調する。
麦焼酎 寅さん 25度
麦の自然な甘香ばしさを、華やかな香味とともに軽快にまとめた麦焼酎。
外観は、透明感のある無色に近いクリスタル。
香りの第一印象は、爽やかで華やか。洋梨、バラの花のような華やかな香り、ヒノキ、樹脂のような木香、ハーブ、青草のようなグリーンの香りが調和している。さらにトーストのような香ばしい香り、貝や海草のようなヨード香も感じられる。
味わいは、優しいアルコール感を伴うやや軽めの第一印象。口中では華やかな香味と、麦の甘香ばしい香味が程よく混ざり、アルコールとともに広がる。軽い苦味がアクセントとなり、軽快な飲み口。余韻は短くスッキリとキレる。
仕上がりが40〜45℃、アルコール15度に調製したお湯割りで、背の低いタンブラーを用いるのがおすすめ。この温度帯では、麦の香味を楽しめる。またはオンザロックで、背の低いタンブラーを用いる。この温度帯では、とろりとした甘味を楽しめる。
相性の良い料理は、サザエのつぼ焼き。酒は40〜45℃のお湯割りで合わせる。温められて芳醇になり、麦の香ばしさがはっきりと出てきた酒が、貝の放つヨード香を引き立てる。酒の華やかな香りが、料理の後味に爽やかさを与える。
またはライ麦パンのBLTサンドイッチ。酒はオンザロックで合わせる。この酒に感じられる麦の自然な甘香ばしさが、ライ麦パンの自然な甘香ばしさと同調する。ベーコンの薫製香ともよく同調する。酒の爽やかな香りが、トマト、レタスとともに、料理を爽やかにする。
信州まーやの梅酒
甘味と酸味が爽やかに調和した梅酒。程よい旨味があり滋味深い。
外観は、透明感のあるやや淡い、わずかにピンクがかったイエロー
香りの第一印象は、爽やかで甘やか。フレッシュな梅の香り、完熟した桃の香り、甘いアカシアの花とそのはちみつの香り、バジルのような爽やかなハーブの香りが調和している。
味わいは、まろやかな甘味を伴い、軽めの第一印象。口当たりが柔らかくアルコールを感じない、口にすっと入る。中盤から爽やかな酸味が主張して甘味と調和する。程よく旨味もあり、なめらかでライトなバランスにまとまっている。
6〜8℃で小振りのチューリップ型グラスがおすすめ。この温度帯では、甘味と酸味をバランスよく楽しめる。または炭酸水で割り、背の高いタンブラーを用いる。この場合は、酸味を強調して楽しめる。
相性の良い料理は、フレッシュなカマンベールチーズ、はちみつをかける。酒は6〜8℃で合わせる。この酒の爽やかな甘味と酸味が、ミルク感の強い白カビタイプのチーズとよく同調する。酒の甘味とはちみつもよく同調する。
またはフレッシュハーブとフルーツトマトの冷製スパゲティー。酒は炭酸水で割って合わせる。炭酸水で割り、爽やかさを増した酒が、フレッシュなハーブとトマトと同調し、パスタを軽やかにまとめる。お互いの温度もよく同調する。